小林麻央さんの 乳がん 治療 から学ぶ。

乳がん治療 に まずは副作用の少ない 免疫療法 を併用するという選択

ガンは死因の一番です。 (敬称略) 小林麻央と北斗晶が乳がん。

松方弘樹が脳リンパ腫。

つんくと坂本龍一が喉頭癌、

渡辺謙が白血病。

桑田佳祐、市村正親と 宮迫博之が食道・胃がん。

日本人の2人に1人はガンと診断されます。 3人に1人はガンで亡くなっています。 (平成26年 厚生労働省の報告書)

ガンの治療が医学の進歩により 日々変わっています。

がん治療の選択肢が増えているのです。

 

 

 

 

がん治療には大きく3つあります。

「外科的手術」 「抗がん剤」 「放射線」です。

私の父親は64歳の時 胃ガンのため 胃の三分の二を摘出しました。

その後、 TS-1、 パクリタキセル、 タモキシフェンといった抗ガン剤治療をしました。

しかし ガン細胞は 抗がん剤に耐性を持ちます。

最後は使う抗がん剤がなくなり、 いろいろ悩んだ末に 免疫療法を受けました。

樹状細胞免疫療法です。 それに加えて、 温熱療法です。

しかし 結局、 リンパ節からの転移が 全身に広がり 72歳で亡くなりました。

この時の経験を生かして、 小林真央さんに向けた 記事をいくつか書くことができました。

www.therapy-for-cancer.com

本人が見たかどうかは分かりませんが、 小林真央さんは 免疫療法と 水素水による温熱療法を 選択されました。

私の父親の時も 小林真央さんの場合にも 免疫療法が 結局効いたのかどうかは?です。

しかし

ここ数年で ガン免疫療法が劇的に良くなっている ことだけは確かです。

効果が高まってきています。

免疫療法には 大きく分けると3つあります。

ワクチン療法

異物を体内に入れることにより身体の免疫反応を起こして 同時にがん細胞をやっつけようという考えです。

異物として、 死んだ細胞やウィルスを使う場合と 分子やタンパク質を使う場合とがあります。

一昔前に流行った 丸山ワクチンもこのカテゴリーに入ります。

今はもう少し工夫されており、 がん細胞特異的なタンパク質を使ったり、 もっと小さなペプチドを使ったりします。

vaccine

抗体を使った療法

現在最も進んでいるチェックポイント阻害剤(PD-1)は、 このカテゴリーに入ります。

皮膚のがん細胞(メラノーマ)の患者さん、 32人に治験を行ったところ なんと56パーセントの人にがんの縮小、 もしくは がん細胞の増殖が抑えられたのです。

1キログラム当たり 10ミリグラム使用して 2週間に1回の割合で、 この抗体を投与しました。

この試験の結果を受けて 2014年にチェックポイント阻害剤が スピード承認されました。

その後、 2015年3月には 肺がんの一種(小細胞肺がん)にも 適用が認められました(アメリカ)。

日本でも 現在、 チェックポイント阻害剤による 免疫療法が次々と 適応申請されて 広がる予定です。

2017年7月9日現在 胃がんに対して適応申請中。

2017年現在 最終の臨床(フェース3) 試験中は以下です。

食道がん 小細胞性肺がん 肝細胞がん グリオーマ 尿路上皮癌 卵巣がん

細胞を使った療法

がん組織の中に、 白血球が入り込んでいる場合があります。 これを「がん浸潤性リンパ球」と呼びます。

これらのリンパ球は 単に入り込んでいるではなくではなく、 ガン細胞を異物として認識しているために がん細胞をアタックしている途中だと考えられています。

そこで、 この白血球(獲得性T細胞)を採集して、 増やして体の中に戻そうというのが主な考え方です。 アメリカの国立がんセンター スティーブン・ローゼンバーグ先生が 先導して技術が進歩しています。

lymphocyte

photoed by Memorial Sloan Kettering cancer center

画像の中のオレンジ色は 血液中の白血球、T細胞です。 あつまっている場所はガン細胞の表面です。

まとめ

ガン免疫療法の種類を3つに分類しました。

現在では 2番目の抗体療法の技術が すごい勢いで進歩しています。

一方、 1番目と3番目の技術に関しては ミックスした方法が主流に なってきています。

つまり 身体から白血球を取り出して そこで ガン特異的タンパク質やペプチドで刺激してから 身体にまた戻すといった方法です。

樹状細胞免疫療法もこれに当たります。

culture-dishes

いずれにしても これまでは 免疫療法はあやしい、 効く人と効かない人の差がはげしい。 といったイメージでした。

しかし

ここ数年で ガンの種類にもよりますが、 外科的手術、 放射線治療、 抗がん剤治療と並び 免疫療法を積極的に 使っていく時代になってきました。