小林麻央さんの 乳がん 治療 から学ぶ。

光免疫療法の最新記事の紹介

アメリカ国立がんセンター(NCI)の研究者から
2つの光免疫療法に関する研究が発表されました。

光免疫療法とは
赤外線を用いて
選択的にガン細胞を死滅させる
新しいタイプの癌免疫療法です。


ニューオーリンズで開催された
米国癌学会(AACR)年次総会で
発表された1つ目の研究です。

近赤外線光免疫療法(NIR-PIT)によって、
マウスの腫瘍に対する
抗腫瘍効果を発揮することを示しました。

そのメカニズムとして
ガン細胞周囲の環境を激変させることで
ガンを破壊するというものです。

ガン細胞は
自身の生存、分裂のために
過剰な栄養を必要としています。
特に、血管からの栄養を必要とするために
ガン細胞周囲に自ら微小血管を
張り巡らせることが知られています。

この微小血管をせき止めてしまえば
ガン細胞は栄養がいきわたらなくなり死滅します。

いわば兵糧攻めです。




Oncotargetに掲載されたもう一つの研究
中皮腫、膵臓ガン、および卵巣ガンを視野にいれたものです。

ヒトにおいて高レベルで存在する
細胞表面タンパク質である
mesothelioma、(メソセリン)を標的にすることで
NIR-PITが抗腫瘍効果を示しました。


頭頸部癌再発の患者では、
表皮成長因子受容体EGFR1に対する抗体が
NIR-PITに使われています。

現在、臨床試験がすでに進行中です。

この抗体部分を
今回、研究に用いたメソセリンに変えることで
中皮腫、膵臓ガン、および卵巣ガンにも
NIR-PITが応用できる可能性があります。