小林麻央さんの 乳がん 治療 から学ぶ。

光免疫療法 の治験 を 小林麻央 が受けていれば... 海老蔵も感じているはず.

小林真央さんは残念ながら
2017年になくなりましたが
もし生前に
光免疫療法の治験をアメリカで受けていれば
どうなっていたかと想像してしまいます。



現在、
アメリカで臨床試験が進んでいる
光免疫療法の効果が
徐々に明らかになってきました。

実際の臨床の現場で使われている
免疫療法として「オプシーボ」があります。

こちらの効果は約30パーセント程度と見積もられています。

一方、
光免疫療法の効果は約80パーセント
非常に高い可能性があります。



現在は頭頚部ガンのみの臨床試験結果ですが
徐々にほかのガンにも
応用されていくと思います。



マウスレベルでは
すでに光免疫療法の効果が
いくつかの種類のガンに
有効であることが確認されています。


B細胞リンパ腫
Ann Nucl Med。
2017 Nov; 31(9):669-677。
doi:10.1007 / s12149-017-1197-9。

口腔がん
Mol Cancer Res. 2017
doi: 10.1158/1541-7786.MCR-17-0333.
Syngeneic Mouse Models of Oral Cancer Are Effectively Targeted by Anti-CD44-Based NIR-PIT.

肺がん
Mol Cancer Ther. 2017 (2):408-414.
doi: 10.1158/1535-7163.MCT-16-0663.
Near Infrared Photoimmunotherapy in a Transgenic Mouse Model of Spontaneous Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR)-expressing Lung Cancer.

卵巣がん
Oncotarget. 2016; 7(48):79408-79416.
doi: 10.18632/oncotarget.12710.
Near-infrared photoimmunotherapy with galactosyl serum albumin in a model of diffuse peritoneal disseminated ovarian cancer.

多くのがんに光免疫療法は
適用されて
効果が確認されています。


開発者の小林久隆主任研究員の話では
2017年早ければ
日本でも臨床試験が始まるとのことでした。

偶然、
「小林」という同性です。

もし
光免疫療法が多くの癌を治癒することができれば
小林さんは
ノーベル賞確実でしょう。

一刻も早く
日本でも
光免疫療法の治験が開始されることを
望みます。

光免疫療法 の リンパ腫に対する効果. 放射線治療との比較をふまえて.

光免疫療法と
従来の放射線治療の比較です。

リンパ腫(ガン細胞)に対する効果を比較しました。
マウスレベルです。

群馬大学からの報告です。

論文のタイトルは、

B細胞リンパ腫に近赤外光免疫療法を適用する.
腫瘍異種移植における
放射線療法と光免疫療法の比較評価.

Ann Nucl Med 9 669-677 (2017).
doi:10.1007 / s12149-017-1197-9。



現状

放射線療法は、
再発性および難治性のリンパ腫の患者に
有効であることはすでに証明されています。

しかし、
B細胞リンパ腫は
多くの患者にとって
いまだに治癒不可能であり、
新しいタイプの治療法が望まれています。


そこで
B細胞リンパ腫を治療に関して
放射線療法と
光免疫療法との効果を比較しました。




方法です。

IR700または90Yを
抗CD20 mAb、NuB2に結合しました。

2種類のB細胞リンパ腫細胞株細胞を用いました。
(RPMI 1788)および(ラモス)です。


100または500μgの
IR700-NuB2および
150μCi/20μgの90Y-NuB2を
それぞれ用いました。



結果です。

ラモス細胞は
RPMI 1788細胞よりも
光免疫療法に対して
感受性が高いことがわかりました。

RPMI 1788ガン細胞においては
放射線療法が
最も高い治療効果を示しました。

ただ
500μgのIR700-NuB2による
光免疫療法の治療効果も
かなり優れていました。

光免疫療法に用いられたIR700-NuB2の
ガン細胞への取り込みレベルは
2種類のリンパ腫で同等でした。

また
ガン細胞内分布も同等でした。

つまり
今回の治療法による違いは
細胞の増殖スピードによる
ものだと考えられます。



結論として

光免疫療法は
2種類のB細胞性リンパ腫(ガン細胞)の
両方に対して有効でした。

特に高用量はより良好な治療効果でした。


光免疫療法と放射線療法は
お互いに利点を持っているので、
B細胞リンパ腫治療において
将来、
治療法の利点を生かした併用もありでしょう。


感想として
光免疫療法は
より多種類のガン細胞に
効果があると思われます。

今後の光免疫療法に関する
最新報告に期待です。

光免疫療法の最新記事の紹介

アメリカ国立がんセンター(NCI)の研究者から
2つの光免疫療法に関する研究が発表されました。

光免疫療法とは
赤外線を用いて
選択的にガン細胞を死滅させる
新しいタイプの癌免疫療法です。


ニューオーリンズで開催された
米国癌学会(AACR)年次総会で
発表された1つ目の研究です。

近赤外線光免疫療法(NIR-PIT)によって、
マウスの腫瘍に対する
抗腫瘍効果を発揮することを示しました。

そのメカニズムとして
ガン細胞周囲の環境を激変させることで
ガンを破壊するというものです。

ガン細胞は
自身の生存、分裂のために
過剰な栄養を必要としています。
特に、血管からの栄養を必要とするために
ガン細胞周囲に自ら微小血管を
張り巡らせることが知られています。

この微小血管をせき止めてしまえば
ガン細胞は栄養がいきわたらなくなり死滅します。

いわば兵糧攻めです。




Oncotargetに掲載されたもう一つの研究
中皮腫、膵臓ガン、および卵巣ガンを視野にいれたものです。

ヒトにおいて高レベルで存在する
細胞表面タンパク質である
mesothelioma、(メソセリン)を標的にすることで
NIR-PITが抗腫瘍効果を示しました。


頭頸部癌再発の患者では、
表皮成長因子受容体EGFR1に対する抗体が
NIR-PITに使われています。

現在、臨床試験がすでに進行中です。

この抗体部分を
今回、研究に用いたメソセリンに変えることで
中皮腫、膵臓ガン、および卵巣ガンにも
NIR-PITが応用できる可能性があります。